良い椅子の選び方

2014年03月15日

椅子の選び方

椅子は私たちにとって一番身近な家具の中の一つです。良い椅子を選ぶ時、どのような基準で選べば良いのでしょうか。
ここでは、良い椅子を選ぶ為のポイントと、座りやすい椅子の高さ(座高)の考え方について紹介します。

良い椅子を選ぶ為の5つのポイント

①座り心地が良いもの
これは当たり前のことですが、座り心地に影響する要素として、座面の寸法(高さ・角度・奥行き・幅など)や、素材感(柔らかさ、硬さ)があります。

②丈夫なもの
体を支えるわけですから、長期間の使用にも耐えられる丈夫な構造が求められます。

③美しいもの
造形的な美しさは、日々の生活を豊かにし、精神的なゆとりを感じることができます。

④価格
椅子は美術品とは異なり、生活に必要な道具でもあります。造形的に美しいから、価格が高いから良いものであるとは限りません。用途に応じて、使う人の条件に合った椅子を選ぶことが重要です。

④重量が軽いもの
日々の生活のことを考え、掃除やメンテナンスのしやすさも選ぶ際のポイントです。ソファなど大きいものは別としても、部屋の掃除の際手軽に動かせるものが望ましいです。

最近では、インターネットでも安い椅子が多く流通していますが、可能であれば一度現物に座って座り心地などを確認してから購入されることをお奨めいたします。

椅子の高さ(座面)の決め方

椅子の座面の高さを決める基準として、座位基準点と言うものがあります。お尻に両手を当てて椅子に座ってみてください。すると、手のひらを強く押す尖った骨があると思いますが、この箇所を座骨結節点といいます。この座骨結節点が、椅子の座面に接している点を座位基準点と言い、椅子の座面の高さを決める原点になります。

つまり、

椅子の座面の高さ = 座位基準点から床までの高さ

となります。

座りやすい椅子の高さを調べる公式

特に事務所のような作業用の椅子を選ぶ際は、椅子の座りやすさによって仕事の能率が変わってきます。体に合わない椅子に座っていると、肩こりがひどくなったり、疲れやすかったりしますので、自分の体に合った座りやすい椅子を選択することが重要です。
ここでは、作業用の椅子を例に、座りやすい椅子の高さを調べる公式を紹介します。

作業用椅子の適切な高さを求める公式は、

(身長の 1/4 )- 10mm

※身長の約1/4と覚えておいてください。

例えば、
身長130cmなら ⇒ 315mm(1300mm / 4)-10mm
身長150cmなら ⇒ 365mm(1500mm / 4)-10mm
身長160cmなら ⇒ 390mm(1600mm / 4)-10mm
身長180cmなら ⇒ 440mm(1800mm / 4)-10mm

※一般的な椅子の高さは約400㎜になっていることが多いです。

ただし、この計算方法で全ての椅子の高さが決まるわけではありません。もちろん、座る方の体格にもよりますし、背もたれの無い椅子(スツール)のように椅子の形状も関係してきますので、あくまで座りやすい座高を求める際の基準として覚えておいてください。

良い椅子のその他の条件

●座面の奥行き
背もたれに寄りかかったとき、座の先端と膝の間にわずかなあきができるくらいが良いです。奥行きが深すぎると背もたれが十分機能せず、膝の裏側に圧迫を受けよくありません。

●座の硬さ
座骨結節点部分に圧力がかかり、大腿部に必要以上の圧力がかからないものが良いです。作業用の椅子は、平たくある程度硬いほうが長時間の作業に向いています。

●肘掛
座位基準点からの垂直距離が240㎜~250㎜程度が望ましいです。左右の間隔は、420㎜~440㎜程度でOKです。